モコモコと立体感を出すことのできる相良刺繍は、着物などで日本でも古くから導入されてきた技法です。今ではミシンやコンピューター制御などによって自動的に制作することも可能です。しかしもともと相良刺繍は手縫いで作られていました。ちょっとしたワンポイントを刺繍で表現したければ、自分で実践する方法もあります。
相良刺繍はチェーンステッチとループステッチの2種類のアプローチがあります。それぞれのやり方についてくわしく見ていきますので、自分でやりたいと思った時の参考にしてみてください。
チェーンステッチの相良刺繍のやり方
まるでチェーンのように輪でつなげてモコモコを作り出すのが、チェーンステッチです。針目次第で見た目の印象も変わってくるので、さまざまなタッチの相良刺繍が作れます。
まずは上に向かって
最初は上に向かって布に刺していきましょう。次に、最初に針の出た部分と同じところで今度は針を下に向かって入れていきます。そして針を少し出して、ここに糸をかけます。針を出すときには一針分先を目安にしましょう。
次に針を抜いて、糸を引きましょう。この時ゆっくり動かすのがポイントです。前に一針分先に出したところと同じところに下に向かって針を入れていきます。そして同じように一針分先のところに針を少し出して、糸をひっかけます。この作業を自分の納得できる長さになるまで続けていきます。
最後は小さめに
最後のループになったところで、少し小さな針目で押さえましょう。これで一つ前のループの上部のところに糸をひっかけるような感じで針を動かします。これでチェーンステッチの出来上がりです。
ループステッチのやり方について解説
ループステッチによって相良刺繍を作る方法もあります。途中まではチェーンステッチのやり方に似ています。どのような流れで作っていくか以下で解説しますので、参考にしてみてください。
まずは上に向かって
チェーンステッチ同様、まずは上に向かって針を出していきます。次に今針を出したところと同じ個所に針を下に向けて入れていきます。そして一針分先のところを目安にして、針を上に向かって出します。そして針に糸をひっかけるように動かしていきましょう。
ループを作る
針を出したら、最初に針を出した箇所に針を持っていき下に入れていきます。すると前に針を出したところから糸がループのようになっているはずです。このループ部分を手前に持ってくるようなイメージで倒していきましょう。これでワンセットが完成です。これを繰り返すことでステッチが伸びていきます。
刺繍の経験者であれば、レゼーデージーステッチと同じではないかと思うかもしれません。確かに刺し方そのものは似ています。しかしループステッチの場合、ループの部分を止めないのが違いです。浮かせたままの状態で進めていきますので、相良刺繍ならではのモコモコとした仕上がりになります。
相良刺繍の自作でおすすめのアイテム
自分で相良刺繍をしたいと思っている人は、どんなもので、どこの部分でやればいいかが問題でしょう。まずは手軽にできるアイテムで試してみるといいでしょう。
ハンカチ
ハンカチであれば、手元に何枚かあるという人も多いでしょう。ですから練習用に活用できます。無地の地味なハンカチも相良刺繍をあしらうことで、オリジナルハンカチが簡単に作れます。イニシャルなど簡単に作れるものからチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。
ランチョンマット
ランチョンマットは100円ショップでも取り扱っているので、手軽に入手できます。ランチョンマットの上に料理を持ってくれば、テーブルの汚れを防げます。手ごろな価格で販売されているので、こちらもお試し感覚で相良刺繍にチャレンジできるでしょう。
キットの活用
刺繍のためのキットも販売されているので、こちらを購入して相良刺繍にチャレンジするのもいいでしょう。相良刺繍を作りたければ、パンチニードルキットを購入するがおすすめです。針がペンタイプになっているのが特徴で、立体的で重厚感のある仕上がりにできるのがポイントです。気軽に相良刺繍に挑戦したければ、パンチニードルキットを調達してみるのも一考です。
まとめ
相良刺繍は針と糸、布があれば手軽に始められます。複雑な模様な文字を入れるとなるとそれなりの技術や経験が必要です。しかしオリジナルの相良刺繍を制作したければ、自分でやってみるのもいいでしょう。
しかしやはりきれいな仕上がりにするためには、専門の業者にお願いするのがおすすめです。「SAGARA(有限会社 福田商店)」では相良刺繍のオーダーメイドサービスを行っています。昔ながらの手ハンドル方式だけでなく、コンピューターを使った機械による自動製作にも対応しています。小ロットから大ロットまで様々な要望に柔軟に対応させていただくことが可能です。ワッペンなどの制作にも対応しています。SAGARAのホームページでは、過去の制作実績を掲載しておりますので、まずは制作実績をご確認いただき、お気軽にご相談くださいませ。