チェーンステッチの魅力とは?刺繍の歴史なども併せて解説

チェーンステッチの魅力とは?刺繍の歴史なども併せて解説

スタジャンにあしらわれた刺繍のロゴワッペンのように、モコモコと立体的な刺繍をご存知でしょうか。普段私たちが想像する「刺繍」とは異なる、存在感のある刺繍に欠かせない技法が「チェーンステッチ」です。今回は、チェーンステッチの魅力や歴史について解説していきますので、刺繍に興味をお持ちの方はぜひ参考にしてみてください。

簡単におさらい!「チェーンステッチ」とは?

チェーンステッチとは、その名のとおり鎖(チェーン)がつながったような形をしているステッチのことです。これは、1本の糸を使う「サガラ刺繍」の一種です。サガラ刺繍にはチェーンステッチのほかに1本の糸をループ状にする「サガラループステッチ」や、スパンコールを留め付ける「スパンコール刺繍」もあります。

チェーンステッチの歴史

続いて、チェーンステッチが誕生してから現在まで、どのような場面で使われてきたのかをひも解いていきます。

刺繍の誕生

刺繍の歴史は大変古く、衣類に施された装飾文様で最も古いのが刺繍だといわれています。旧石器時代には「針」が誕生し、古代エジプトでも刺繍で装飾したタペストリーなどが作られていたことが発掘調査でわかっています。

チェーンステッチの認知

刺繍の技法のひとつであるチェーンステッチですが、1790年には機械化に成功し、そこから一気に広まりました。そのときに発明されていたのがチェーンステッチ専用のミシンです。

デニムの裾上げに愛用されたチェーンステッチ

1898年、デニムの裾上げ用のチェーンステッチミシンを開発したのが「リーバイス」です。

デニムの裾をチェーンステッチにすると、洗濯時にチェーンの輪っかが縮み、デニム生地が引っ張られてうねりが生じます。そのうねりはデニム生地が擦れたときに独特の「アタリ」を生み出すことから、チェーンステッチが使われるようになりました。本格デニムの証として、裾のチェーンステッチ処理が人気を博すようになります。

爆発的なチェーンステッチの流行は1920年代

チェーンステッチが爆発的に流行した全盛期は、1920年代だといわれています。デニムジャケットの背面全体に大胆にあしらったロゴ刺繍など、アメリカンファッションから火がつきました。

そして、今までの刺繍とは一線を画すクオリティーの高い刺繍が続々と誕生するようになりました。色の配色やステッチによる躍動感など、職人によるオリジナリティーも光るようになったのです。

日本におけるチェーンステッチの歴史

日本でもチェーンステッチは古くから使われていました。日本に伝わったのは奈良時代とされており、「鎖繍(くさりぬい)」と呼ばれたチェーンステッチは、奈良時代には主に刺繍で仏像や仏教の世界観を表した「繍仏(しゅうぶつ)」で使われました。なお、奈良時代に作られた国宝の「刺繍釈迦如来説法図」にもチェーンステッチが採用されています。

チェーンステッチの魅力

ここからは、チェーンステッチの魅力について解説していきます。

線を描くことも面を塗りつぶすこともできる

チェーンステッチは、基本的には鎖の連なった1本線になります。ただしステッチを横に重ねていくことで、広い面を埋めることも可能です。さらに、塗りつぶし方によって印象ががらりと変わるのもチェーンステッチならではの魅力です。

躍動感・存在感

チェーンの連なりが躍動感を表現するのもチェーンステッチの魅力のひとつです。曲線の波打つ感じや直線のストレートさを表現できます。また2本の糸で太いチェーンにすることで、モコモコした立体感あるモチーフを刺繍することもできます。

幅広く使えるチェーンステッチ

大きめのモチーフやさまざまな色を使い、ワンポイントなどに幅広く使用できるのもチェーンステッチの魅力といえます。また、スパンコール刺繍やループ刺繍と組み合わせることでよりインパクトのある刺繍が完成します。

刺繍のオーダーメイドのすすめ

刺繍のオーダーメイドというとあまりなじみがない人が多いかもしれませんが、スタジャンやワッペン、舞台衣装やユニフォームなどに幅広く利用されています。刺繍のオーダーメイドといってもやはり機械刺繍がほとんどですが、機械刺繍の中でもコンピューターミシンなのか、それともハンドルミシンかによって仕上がりの印象が異なります。

ハンドルミシンとは、サガラ刺繍の際に使う伝統的なミシンのことです。こちらは職人が1枚ずつ製作することになり、手間や時間がかかります。現在は製造されていないハンドルミシンを修理しながら大切に使っているお店は、それだけで貴重な存在だといえるでしょう。

「オリジナリティー溢れる洋服を着たい」「インパクトがあるユニフォームを作りたい」を考えている方は、チェーンステッチをはじめとする刺繍のオーダーメイドを検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

歴史の古い刺繍の中でも、チェーンステッチはデニムの裾に使われるなど独自の発展を遂げたステッチだといえます。また、動きのある表現をするのに最適なチェーンステッチはモチーフの大小に関わらずインパクトを与えられるので、興味をお持ちの方は一度専門業者に相談してみてください。

サガラ刺繍の専門店である「SAGARA(有限会社 福田商店)」では、サガラ刺繍をはじめ、刺繍に関するさまざまなご依頼を請け負っております。当社は伝統的な手ハンドルを使った刺繍を続けており、スタジャンやホッケーなどのユニフォーム、舞台やコンサート衣装など幅広いオーダーに対応しております。見積もりに関するご相談も随時受け付けておりますので、ご用命の際はお気軽にお問い合わせください。

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