刺繍は布や革の上に糸と針を使用して、装飾を施す技術のことです。刺繍にはさまざまな技法が用いられていますが、有名な刺繍のひとつにシェニール刺繍というものがあります。
シェニール刺繍という名前は聞いたことがあるものの、具体的にはどういうものなのかわからないという方もいるのではないでしょうか。そこで今回は、シェニール刺繍の特徴について詳しく解説していきますので、興味がある方は参考にしてみてください。
シェニール刺繍とは?
シェニール刺繍は海外で使われている言葉で、英語表記では「Chenille」となっています。シェニール刺繍とは毛糸を使って高級な立体感を作る刺繍のことで、ほかの刺繍とは異なり表面がふわふわしていることが特徴です。
このシェニール刺繍は別名「サガラ刺繍」とも呼ばれています。また、ハンドル刺繍という名称もシェニール刺繍とほぼ同じです。ハンドル刺繍機や手ハンドルを用いて刺繍をするため、このような名称がつけられているのです。
また、なかにはパイル刺繍という言葉を使う方もいますが、こちらもシェニール刺繍と同じ意味を持っています。ただし国内では、サガラ刺繍という名称を用いるのが一般的です。また、シェニール刺繍のことを「シュニール刺繍」ということもありますが、これも意味はほぼ同じです。
シェニール刺繍の特徴
シェニール刺繍とは、一本の糸を使用して模様を描く刺繍技法のことを指す言葉です。一般的にはかぎ状の針を使い、すくい上げながら模様を描くのです。
使用されるかぎ針は、サガラ刺繍用やハンドル刺繍用のミシン針を使っています。また、使用するかぎ針のことを「シェニール針」と呼ぶこともあります。
シェニール刺繍の魅力とは?
サガラ刺繍の特徴はそのボリューム感にあります。ほかの手法と比較すると立体感があるほか、落ち着きのある仕上がりとなります。
シェニールの意味とは?
シェニールは元々フランス語のひとつで、主に毛虫やイモ虫のことをシェニール(Chenille)と呼んでいます。シェニール刺繍で使用した糸の質感や盛り上がりが毛虫やイモ虫に似ているため、シェニールという名前がつけられました。
シェニールという言葉は広く用いられており、たとえばコットンやシルクを使用した織り方は「シェニール織り」と呼ばれています。また、糸全体に毛羽のある飾り撚糸のことを「シェニール糸」と呼ぶことも少なくありません。
ただし、シェニール刺繍はあくまでも技法のひとつであり、上記のシェニール糸やシェニール織りとの関係はありません。
刺繍の用途
元々シェニール刺繍は、手ハンドルと呼ばれるミシンで職人が丁寧に加工していました。しかし、現在は機械で刺繍を行っており、さまざまな技法を組み合わせた加工が可能です。技術の進歩によって、より美しい刺繍を施せるようになりました。
また、シェニール刺繍には独特の風合いがあります。美しさと懐かしさが入り交じったデザインになっており、さまざまな用途で使用されています。
たとえば、ジャンパーなどの洋服のほか、帽子や小物などで見られることも珍しくありません。シェニール刺繍を用いれば、おしゃれでスタイリッシュなデザインに変えることができるでしょう。
シェニール刺繍の注意点
さまざまな魅力を持っているシェニール刺繍ですが、注意点も存在します。かぎ針を使用するため、生地によってはダメージを受けてしまうおそれがあるでしょう。場合によっては修理が必要になるため、前もって生地を確かめておくことは大切です。
特に不織布以外の生地に使用する際には、前もってテストしておくことをおすすめします。
シェニール刺繍をするならプロにお任せ
道具を揃えれば自分でシェニール刺繍を行うことは可能です。ただし、仕上がりの美しさで選ぶならばプロにお願いするのが良いでしょう。
刺繍にはさまざまなテクニックがありますが、シェニール刺繍では針ですくい上げながら模様を描いていくため、高度な技術が求められるでしょう。また、シェニール刺繍には編み目のように仕上げる方法と、ループ上にしてやわらかく仕上げる方法の2種類があります。プロに依頼すれば、生地に合わせた美しい加工を施してもらえるでしょう。
まとめ
シェニール刺繍とは立体感のある加工を施した刺繍のことです。表面がふわふわとしているため、毛虫やイモ虫という意味を持つシェニール「Chenille」という言葉を用いています。シェニール刺繍はおしゃれなレトロな雰囲気のデザインになるという魅力があり、洋服・小物・帽子などのさまざまな用途に用いられています。
シェニール刺繍の加工を施したい方は、プロへの依頼がおすすめです。群馬県伊勢崎市にある「SAGARA(有限会社 福田商店)」では、これまでにさまざまな洋服や小物の刺繍を行ってまいりました。お客様に喜んでいただけるよう、高品質の刺繍を提供しておりますので、シェニール刺繍に興味をお持ちの方はぜひ一度お問い合わせください。