立体的な美しさが魅力の相良刺繍の由来は何?その歴史について解説

立体的な美しさが魅力の相良刺繍の由来は何?その歴史について解説

相良刺繍は玉縫いとも呼ばれる手法です。結び球を繰り返すことで模様を作る技法なのですが、ボリューム感があり着物でよく使われています。着物で使われるといわれると日本の伝統的な縫い方と考える人もいるでしょう。しかしその由来を見てみると、中国にあることがわかります。今回は相良刺繍の歴史について、くわしくご紹介していきましょう。

相良刺繍の由来は中国にあり

相良刺繍は日本の着物でも古くから使われている技法です。しかしそのルーツを見てみると、実は中国が発祥であることがわかります。相良刺繍の由来についてまずは見ていきましょう。

三大刺繍の一つ

相良刺繍とは中国が由来です。中国では三大刺繍と呼ばれる技法があるのですが、その中の一つです。蘇州・汕頭・相良が三大刺繍です。いずれも誕生した地名から名付けられるようになりました。

三大刺繍の中でも最も拡張高いといわれているのが蘇州刺繍です。礼装用の着物でよく用いられます。よりのない糸が用いられ、本数を変えることでメリハリをつけていきます。

汕頭は「すわとう」と読みます。汕頭刺繍は大島をはじめとして、比較的カジュアルな着物でよく用いられる刺繍の手法です。切り抜き刺繍の一種で細かい穴を無数に開けるのが特徴です。このため、生地は透かしの入ったような仕上がりになり、胴裏や帯真の色で柄の浮き出方が変わって、個性が出てきます。

汕頭刺繍は和装の中で履物というよりも、帯に使われることの多い縫い方です。ぼかし絵のような仕上がりになるものが多くなっています。三大刺繍の中でも糸が引っ掛かりにくいこともあって、最も耐久性に優れています。

漢の時代に発明

相良刺繍の歴史は非常に古いものとなっており、中国の漢の時代から見られた技法だといわれています。その後日本にも伝来したのですが、こちらも早い時期にわたってきたと考えられています。奈良時代の仏像には螺髪があしらわれています。螺髪とは巻き毛のことなのですが、この部分に既に使用されていたといわれています。かなり昔から伝わっているので、伝統的な着物などでもこの刺繍が使われてきたのです。

相良刺繍の発展の歴史

相良刺繍は毛糸のような糸をかぎ状の針ですくい上げながらも要を作っていきます。当初は職人さんが手作業で行っていたのですが、現代の技術革新によって、コンピューターなどによってより効率的かつ大量に制作できるようになりました。

当初は手ハンドルで

相良刺繍の制作方法ですが、当初は手ハンドルミシンと呼ばれるものを使って作られていました。相良刺繍ならではのチェーンステッチのできる特殊なミシンです。布送りが360度どこにでも進行できるようになっていて、前後左右に動かしながらデザインを描いていきました。手動のため、職人さんの技術力が仕上がりを左右していました。短頭機で1枚1枚職人さんが仕上げなければなりませんでした。

自動化が進む

しかし時代の流れとともに新しいミシンが登場したことで、従来よりも効率的に制作できるようになりました。まず日本国内の刺繍機メーカーが1982年に多頭機のミシンを作りました。さらに自動化も進みました。さらに1995年には多色化に対応するミシンも出てきました。

2022年現在、ジャガード刺繍機と一体化したモデルのものが主流になりつつあります。相良刺繍ができるだけでなく、ほかの技法も同時並行で制作できるようになりました。スパンコールと刺繍を組み合わせることのできるような機種もあり、従来よりも高度で複雑なデザインも表現できるようになりました。

今では自動的に制作できるようなモデルが主流です。当初は職人さんが手動で布送りをしていました。しかし今では主導で制作することはほぼなくなっています。刺繍枠に生地をセットして、仕上がりのデザインを入力します。設定してスタートボタンを押せば、あとは電子制御によって自動的に刺繍制作できるようになっています。縫い方はもちろんのこと、使用する糸の色なども自動的にチェンジできます。ほとんどの作業がオートメーション化されたので、一度に数多くの刺繍を作り出すことも可能です。

まとめ

着物でよく用いられている相良刺繍なので、日本伝統の技法と思っている人も多いかもしれません。しかし実際のところは、中国が由来です。日本も古くから伝来して使われてきていましたが、当初は職人さんが手作りでていねいに制作していました。しかし時代とともに新しい機種が開発され、自動的に縫えるようになりました。今では電子制御によって一度仕上がりのデザインを決めてセッティングすれば、あとは機械の方でほとんど自動的に、綺麗な刺繍が仕上がるのです。

「SAGARA(有限会社 福田商店)」ではオーダーメイドの相良刺繍の制作を受注しています。昔の方式の手ハンドルを使ったものから、コンピューターによる作成なども含め、さまざまなご要望に柔軟にお応えしています。オリジナルのデザインの制作にも対応しています。何かお手持ちの衣服に刺繍をあしらいたければ、SAGARAにまずはお気軽にお問い合わせくださいませ。

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