刺繍にはさまざまな種類があります。なかでもプロの技ともいえるチェーンステッチ刺繍は、独特の優しく懐かしい風合いと立体感が特徴のテクニックとされています。比較的メジャーな縫い方ではあるものの、「具体的にどんな刺繍なの？」と疑問に持つ方も少なくありません。
今回は、そんなチェーンステッチや主な刺繍の種類について詳しく解説していきますので、興味をお持ちの方はぜひチェックしてみてください。
チェーンステッチ刺繍について
まずはチェーンステッチの概要から見ていきましょう。
チェーンステッチの良さ
チェーンステッチは、かぎ針を使って糸をループ状にしながら柄を作っていく手法のことで、まるでチェーンで編んだような模様からその名がつきました。糸が鎖状になる独特のステッチは、昔ながらの温もりと風合いがあり、現在も多くの方に親しまれています。
このチェーンステッチは、丸くカーブしたようなデザインに適しており、180度転換しなければいけないデザインには向いていません。しかし、英文字や筆記体などなだらかな文字やさまざまな模様などのデザインが可能です。華やかな表現を用いる際にも使用され、場合によってはウェディングドレスなどに用いられることもあります。
また、色や形が衰えることも少なく、長く愛用できる優れた性質も持ちますが、その分手間もかかります。まさに、長年修行を積んだ職人の成せる技といえるでしょう。
主なチェーンステッチ刺繍の種類
次に、チェーンステッチの主な種類を紹介していきます。さまざまな刺繍の種類がある中でも、独特な味わいのあるチェーンステッチを深く知ることでより刺繍の世界を理解できるでしょう。
サガラチェーン刺繍
サガラチェーン刺繍とは、糸を一本ずつかぎ状の針ですくい上げつつ縫っていく「サガラ刺繍」を応用した技法のことです。チェーン状に表現していくため、先ほどの「サガラ刺繍」の名前を合わせて「サガラチェーン刺繍」と呼びます。
サガラ刺繍は立体感がありますが、サガラチェーンはそれに比べると立体感は少なく、ビーズやスパンコールなどと組み合わせて刺繍することが可能です。昔はハンドルミシンで職人が一つひとつ仕上げていましたが、現在ではハンドルミシンのほかにコンピューターで自動化されるなど、さまざまな工夫によって効率化が図られています。
たとえば、1本の糸を2本使用して1本のチェーンを作ることも可能であり、ワッペンやジャンパー、バッグなどあらゆるカジュアルアイテムや子ども服などに活用されています。
チェーンステッチ刺繍
チェーンステッチは、昔ながらの刺繍法で、かぎ針で糸をすくい上げながら縫っていきます。本来は手で1つずつ縫っていく技法であり、バリエーションも豊かです。代表的なものは、フェザーチェーンステッチ・オープンチェーンステッチ・ヘビーチェーンステッチ・ブレイテッドチェーンステッチなどの縫い方があります。
クルクルチェーンステッチ刺繍
クルクルチェーンステッチは、チェーンステッチの応用で、糸をかぎ状の針で一本ずつすくい上げ、円を描くように縫っていく技法のことです。
三角チェーンステッチ刺繍
三角チェーンステッチ刺繍は、かぎ針を使用せずに刺繍機で行う加工のことで、その名のとおり三角形のチェーンのように繋げていきます。サガラ刺繍では「すくい上げる手法」を採用していますが、三角チェーンステッチ刺繍は普通の刺繍機で作業を進めていきます。
この三角チェーンステッチ刺繍は、主に三角ボーリングシャツなどに施すことが多いです。また、固い文字より筆記体のような文字に合うとされています。普通の刺繍機でできるうえに、それほど針数が多くならないため比較的安く仕上がるのもうれしいポイントです。
ジャカード刺繍
ジャカード刺繍機で刺繍をしたものを「ジャカード刺繍」と呼びます。コンピューターを用いて、サガラ刺繍などと組み合わせられるのが特徴で、こちらはかぎ針を使用しないため、生地を傷めることがありません。また、柄やデザインの自由度が高いのも特徴のひとつです。
まとめ
チェーンステッチ刺繍やサガラチェーンなど、刺繍の種類は多岐にわたります。やわらかな雰囲気と懐かしさ、そして温かみが感じられる風合いは、多くの経験を積んだプロにしか出せません。チェーンステッチはカジュアルでありながらも高級感があり、これらの良さを活かした小物や洋服もたくさんありますので、気になる方は日々の生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
「SAGARA（有限会社 福田商店）」では、サガラチェーン刺繍やチェーンステッチ刺繍などをメインに、さまざまな組み合わせの刺繍を行っております。デザインの打ち合わせから制作まで丁寧な対応を心がけておりますので、初めての方も安心してご依頼いただけます。また、見積もりのご相談も随時受け付けておりますので、興味をお持ちの方はお気軽にご連絡ください。
